BS、CSデジタル放送の周波数(4Kと8Kを含む)

BS放送は2000年にBS衛星で開始され、その後、BSと同じ位置にCS衛星が上げられ、CSデジタル放送が開始されました。この放送電波の周波数とIF周波数の関係を解説しいてます。4Kや8KのテレビのBSやCSでは右旋円偏波に加えて左旋円偏波も使用しています。

BS、CS放送に使うパラボラアンテナ

BS室内受信用金具につけたBSアンテナの写真

BSやCSの衛星放送は12GHz帯の周波数で放送されています。この周波数はとても高い周波数なので、取り扱いが難しいものです。電子レンジや無線LANの周波数が2.4GHz帯ですから、この約5倍の周波数です。この電波を同軸ケーブルに通すと非常に減衰が大きく、長距離の伝送ができません。

この為、BSやCSの パラボラアンテナ楽天 はBSやCSの電波を受信したら、すぐに周波数を低い周波数(約1/6~1/11)に変換しています。この役目をするのが、パラボラアンテナの焦点付近に付いている周波数コンバーターと呼ばれるものです。

これを一般的にBS/CSコンバーターと呼んでいます。LNB(Low Noise Block)と呼ぶ場合もあります。このコンバーターには電源が必要で、通常は+15Vの電源が使われています。

この写真は、BS/CSパラボラアンテナを自作の室内用の金具に取り付けたものです。このパラボラの上にあるのがBS/CSコンバーターです。ここで12GHz帯の周波数を約1,000~2,100MHzの周波数に変換しています。

初期のBSアンテナはBS-15チャンネルまでしか対応していませんでしたが、BS-17~BS-23チャンネルや110度CSが受信できるようです。粗悪な製品でない限り、CSの最高周波数までは無理かも知れませんが、ほぼ受信できています。

BSデジタルに使う放送周波数とIF周波数

上記のようにBSコンバーターから出力される周波数は、受信した周波数より約1/10低い周波数になります。この周波数の変換には局部発振周波数の信号と受信電波とを混合して、その差の周波数の電波を取り出しています。

この局部発振周波数は受信周波数より低くて、通常は10.678 GHzになっています。製品毎に決まっていて変更はできません。

BSデジタルの放送周波数
11.71398~12.16294 GHz (BS-1~BS-23 の奇数の12チャンネル、右旋円偏波)
BSデジタル放送のIF周波数
1035.98~1484.94 MHz

東経110度CSデジタルの放送周波数とIF周波数

CSの場合は、CSコンバーターから出力される周波数は、受信した周波数より約1/7低い周波数になります。この周波数の変換には局部発振周波数の信号と受信電波とを混合して、その差の周波数の電波を取り出しています。

この局部発振周波数は受信周波数より低くて、通常は10.678 GHzになっています。製品毎に決まっていて変更はできません。

CS110度デジタルの放送周波数
12.27375~12.74825 GHz (ND-2~ND-24 の偶数の12チャンネル、右旋円偏波)
CS110度デジタル放送のIF周波数
1595.75~2070.25 MHz

4K、8Kテレビの左旋円偏波にも対応するIF周波数

地上デジタル放送(2K)の解像度約200万画素に比べて、4Kでは2Kの4倍の約800万画素、16Kでは2Kの16倍の約3300万画素の解像度となっています。この為に放送周波数を広く取っています。

4Kや8Kテレビでは右旋円偏波に加えて、左旋円偏波も使用します。また、4Kや8KのBSや110度CS放送では、通信衛星「JCSAT-15」や「BSAT-4a」も使用します。

このため、使用する周波数が広く必要になり、受信機器のIF周波数が3224MHzまで対応する必要があります。

BS・110度CS 右左旋偏波デジタル放送のIF周波数
1032~3224MHz

デジタル放送受信機器が対応しなければならない周波数

地上デジタル放送の周波数は現在、470~770MHzです。将来は470~710MHzとなっています。BS放送は約1,500MHzまで対応しなければなりません。

110度CSの場合は、BSに比べて、IF周波数が少し高くなっていることに注意してください。110度CSまで扱うには、混合器や分配器やブースターが約2,100MHzまで対応になっている必要があります。

4Kや8Kでは右旋円偏波に加えて、左旋円偏波も使用するので、それに対応した受信機器の周波数は3224MHzまで必要です。