CATVを利用した地上デジタル放送の受信
CATVを利用した地上デジタル放送の受信は、通常のUHFアンテナで受信する方式ではなく、CATV業者の設置したケーブルの信号を利用して地上デジタル放送(地デジ)を受信する方式です。
CATVを利用して地上デジタル放送を受信する方法
CATVを利用すれば各家庭にはUHFアンテナが不要になります。CATVの信号はケーブルによる伝送なので、安定した放送波を受信することが可能です。CATVで地上デジタル放送を受信するには次のような方式があります。これらの方式を理解しておかないとうまく受信できません。
当然ですが、BSデジタル放送の受信をする場合は、別にBSアンテナが必要です。
- 同一周波数パススルー方式
- 周波数変換パススルー方式
- トランスモジュレーション方式
同一周波数パススルー方式
これはUHFで放送されている周波数のままで伝送するので、同一周波数 パススルー方式楽天 と呼ばれています。この方式はUHFのアンテナで受信するのと何ら変わりませんので、一番問題のない方式です。多くのCATV会社で採用されています。
周波数変換パススルー方式
周波数変換パススルー方式は、UHFで放送されている地上デジタル放送の周波数を、一度、CATV用の低い周波数に変換して伝送する方式です。この為、周波数変換パススルー方式に対応している地上デジタルテレビ用のチューナーやテレビやDVDレコーダー等が必要です。
チャンネル設定の時、CATVを選択する必要があります。地上デジタル対応のテレビやDVDレコーダーでは、周波数変換に対応していないものがありますので注意が必要です。
トランスモジュレーション方式
トランスモジュレーション方式は、一度、CATV会社が地上デジタル放送のチューナーで受信してから、再度変調してCATVチャンネルで伝送する方式です。CATV会社が用意した、専用のセットトップボックス(STB)というチューナーが必要です。このチューナーは一般に市販されていません。
トランスモジュレーション方式では、地上デジタル放送のハイビジョンの放送は標準画質でしか見ることができません。当然録画も標準画質になります。また、何台もテレビがある場合は、台数分の専用チューナーが必要です。レンタルならその料金が必要です。
CATVで使用している周波数
CATVで使用している周波数は次のようになっています。同一周波数パススルー方式は、UHF信号のままで伝送しています。
- VHF(L) (VHFローバンドチャンネル)
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90~108MHz の 1~3ch (テレビ放送用の3チャンネル分)
- MID (ミッドバンドチャンネル)
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108~170MHz の C13~22ch (CATV専用の10チャンネル分)
- VHF(H) (VHFハイバンドチャンネル)
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170~222MHz の 4~12ch (テレビ放送用の9チャンネル分)
- SHB (スーパーハイバンドチャンネル)
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222~470MHz の C23~C63ch (CATV専用の41チャンネル分)
- UHF (UHFチャンネル)
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470~770MHz の 13~62ch (テレビ放送用の50チャンネル分、同一周波数パススルー方式で使用)
周波数変換パススルー方式の周波数
CATVでは、ケーブルや機器に古い規格のものを使っていると、UHFのような高い周波数が使えない場合があります。この場合、周波数変換パススルー方式では、地上デジタル放送をUHFではなくこれより低い周波数帯を使って伝送しています。
CATVブースターの選定方法(地上デジタル放送を受信する場合)
CATVから各部屋に4~8分配する場合が多く、この場合は電波がかなり弱くなるので分配する前にCATVブースターを挿入して分配損失を補償する必要があります。この場合は下り増幅用のCATVブースターを使います。
BSやCS信号を同じ同軸ケーブルに混合する場合は、BSやCSも増幅する下り増幅用のCATVブースターを使います。BSアンテナにもプラス15Vを給電できる機種を選んだ方が使いやすいでしょう。
CATVブースターの下り信号の増幅は70~770MHzに対応したものを使います。この周波数帯域をほぼフラットで増幅してくれるのでCATV信号や地デジの増幅には最適です。CATV用ではなくて、普通のアンテナ増幅用のU/V/BS/CS用のブースターはCATVチャンネルを増幅しないようになっているので注意が必要です。