地上デジタルテレビ放送とは

2003年12月から、3大広域圏で、地上波のUHF帯を使用して開始されたデジタル放送です。この時、従来のアナログテレビ放送電波も残して、デジタル電波と両方の運用になりました。

地上デジタル放送では、デジタルハイビジョンの高画質、高音質番組と共に、デジタルの高画質、高音質の普通の放送も行えるようになっています。また、双方向番組、高齢者や障害者にやさしい福祉番組、暮らしに役立つ最新情報番組などが提供されています。

デジタル放送にする必要性(周波数の有効利用)

携帯電話の普及等で移動体通信分野を中心に電波の周波数が足りなくなってきています。その上に、無線系のインターネット等の新しいサービスが次々と登場して、新たな電波の需要に応えられない状況になってきました。

アナログ放送をデジタル化すると、同じ周波数帯域で多くの情報を送ることが可能です。地上アナログ放送が完全にデジタル化されると、最終的に現在のテレビ放送周波数の約1/3を新たな用途に使うことができるのです。つまり、電波の周波数の有効利用をする為です。

地上デジタル放送の利用周波数

地上デジタル放送の利用周波数はUHF帯です。UHFとは、「 極超短波楽天 」とも言い、300MHzから3GHzまでの周波数帯です。その中で、テレビ放送では470MHzから770MHzまでを使っており、13チャンネルから62チャンネルの番号がついています。UHFの受信には、UHF用のアンテナが必要です。

地上アナログテレビ放送に使っていたVHF帯の電波は、地上デジタル放送では使いません。VHFのアンテナは周波数がUHFより低く、アンテナが大型になっていました。

デジタル放送の有利な点

デジタル放送は高画質、高音質になります

従来のアナログの地上波放送には無かったハイビジョン放送やCD並みの音声放送が可能となります。また、デジタル化することにより雑音の影響を受けにくくなります。アナログ放送では、テレビの画像が二重映りになったりしていましたが、このような「ゴースト」が無くなります。

番組のマルチ編成が可能です

デジタル放送にすると、同じチャンネル幅で、一度に多くの情報を送ることができます。標準画質放送なら、1つのチャンネルで最大3チャンネルの番組を同時に放送することが可能となります。このことで、番組のマルチ編成が可能なのです。

データー放送が利用可能です

番組にデータ放送を組み合わせることができるので、字幕放送や解説放送サービスを同時に行なうことができます。

電子番組ガイドを利用できます

電子番組ガイドは、その日から一週間先までの番組を新聞のテレビ欄のようにテレビ画面に表示する機能です。視聴予約や録画予約を番組表から簡単にできます。番組内容の確認や見たいジャンルの番組を検索することもできます。

ワンセグ放送が可能です

ワンセグ放送は、デジタルの特性を利用して、 移動中でも安定した受信ができるので、車や電車、バスなど移動体向け放送サービスや、携帯電話や携帯端末に向けた放送サービスが可能となっています。

デジタル放送の不利な点

デジタルテレビ放送は良いことばかりではありません。悪いこともあります。電波の強さが弱くなってくると、アナログテレビ放送ではかろうじて見ることができても、デジタル放送では全く見えなくなることがあります。

また、一般的にデジタルテレビは回路が複雑になって価格が高いという欠点がありますが、専用のICの開発や量産効果によって価格は徐々に安くなって来ています。

地デジを見るには、チューナーやテレビを地デジ対応に変えなければなりません。この費用を負担しなければならないのも、地デジの不利な点です。