テレビ一般修理技術情報

このページは修理技術情報掲示板に書かれた内容や、私が経験した修理情報をメーカーや電気製品ごとに分類してページを作成しました。

このサイトの 修理技術楽天 情報は情報量がとても多くなっています。サイト内検索等を使って、根気よく情報を探してみてください。該当の機種に当てはまらなくても、類似機種などの情報が参考になるはずです。

[36] フライバックトランスの診断方法

投稿者:dai

■対象商品
 ブラウン管を使用したテレビ、モニター、ディスプレイ等

■適用症状
 水平高圧回路が動作せず、ノーラスターで、水平出力トランジスターが壊れている時。

■診断方法
 水平出力トランジスターを交換した後、もしフライバックトランス(FBT)が不良だと、電源を入れるとまたすぐにトランジスターが壊れてしまいます。これを防止する方法です。

オッシロスコープで水平出力トランジスターのコレクタパルス電圧波形を測定できるように設定しておき、電源を入れて一秒程度で電源を切りこの間に波形を観測します。フライバックパルスが正常であればFBTは正常と考えられます。(水平20μS/DIV,垂直200V/DIV位に設定し、トリガーがかかるように設定)

フライバックパルスが異常でも、FBTの周辺回路の部品の不良も考えられますから、FBTに繋がってる、ダイオード、平滑コンデンサ、負荷回路等のチェックをしてください。

フライバックパルスの異常波形

この写真はナショナルテレビTH-32GW1のフライバックトランス(FBT)が不良の場合の水平出力トランジスタのコレクタパルス波形です。

正常な場合はパルスとパルスの間の平坦部に何もありませんが、これは平坦部に少し波形が現れています。

このような波形が観測出来るのは一瞬であり、テレビは約1秒でスタンバイ状態になってしまいます。デジタルオシロスコープのトリガーをノーマルにして、垂直の電圧と水平の掃引とトリガーレベルを適切に設定して観測します。

フライバックトランスの不良でなくても、フライバックトランスから取っている電源の整流器や平滑コンデンサの不良や、その負荷の不良でもこのようになるので、それらの不良ではない事を確認してから、フライバックトランスを交換します。

[Res: 36] ブラウン管の高圧の放電方法

投稿者:dai

■対象商品
 ブラウン管を使用したテレビ、モニター、ディスプレイ等は、電源を切っても普通は放電抵抗が入っていないので、何日も高圧がブラウン管に残ることがあります。この高圧は約25,000Vもあります。

■高圧の放電方法
 高圧のアノードキャップをいきなりめくるのはやめてください。高圧が飛んで来ます。

まずテスターのリード線付きの棒か、リード線を付けたドライバー等のリード線を、ブラウン管の外側に塗ったアクアダックにからめてある編組線に接続します。テスター棒か、ドライバーの先の方をアノードキャップの中に突っ込んで高圧を放電させます。

他のアース等で放電させると、故障を誘発させる事がありますので、注意してください。

[63] 赤、緑、青色のどれか出ないまたは、画面真っ暗

投稿者:dai

■適用機種
 今回はNECのディスプレーJC-1945UMWでしたが、一般のテレビ等、ブラウン管(CRT)を使用の機種全般

■症状
 今回は緑のみ色が出ない故障(マゼンタ)でしたが、赤のみとか青のみとかが出ない症状(シアン、黄色)になることも考えられますし、画面が真っ暗になることもあります。

■修理方法
 ブラウン管のソケットとプリント板の半田割れ、半田浮きでした。半田手直しでOK。単色が出ない場合は、R,G,Bのカソードの半田割れ、真っ暗の場合はヒーターの半田割れが多いようです。

プリント板の半田割れ写真

これは別の物ですが参考写真です。このようになります。

[61] BSを分配していて、BSが時々見えないことがある

投稿者:dai

■症状
 BSを何箇所かで見るために、分配器を使用していて、BSが見える時と見えない時がある。

■原因と対策
 分配器に普通の電流通過型のものを使用すると、このようになる事があります。電流通過端子のBS機器を使用中は他の部屋でもBSが見えますが、電流通過型でない方の機器だけ使用した時はBSが見えません。

ダイオードの入った全方向電流通過型BS分配器にして下さい。

[27] 画面が出ない(真っ黒)テレビ修理

投稿者:dai

私の一般的診断手順

■高圧が出ているかどうかの確認
 高圧が出ていれば、画面が真っ黒でも、スイッチを切った時、大抵は少しでも画面が光るので光れば高圧が出ていますので水平回路が動作していると考えられます。

もうひとつの診断方法は、画面に手の甲を近づけて、電源をON/OFFすれば、毛が逆立てば高圧が出ています。NGなら次へ。

■水平回路の電源確認
 水平出力トランジスターのコレクタか、フライバックトランスの電源電圧をテスターで測定する。110から115Vあれば正常ですが、水平回路が動作していないと、140V位になることもありますから、この値で電源の不良と診断してはいけません。NGなら次へ。

■115Vラインの電圧確認
 TP91とか書いてある所の電圧です。110から115Vが普通です。前項と同様に140V位になることがあります。NGなら次へ。

■AC100Vの整流後の平滑コンデンサの所のDC電圧確認
 大きなコンデンサですから場所はすぐわかります。ここの電圧は約140Vです。NGなら次へ。

■AC100V整流回路にかかる、AC100Vを確認する。100Vあれば整流回路の故障です。
 NGならACコードまでの回路をたどる。この間に電源のリレーがあるのが普通です。リレー回路も調べましょう。

[Res: 27] 高圧が出ている場合

投稿者:dai

> ■高圧が出ているかどうかの確認

>  高圧が出ていれば、画面が真っ黒でも、スイッチを切った時、大抵は少しでも画面が光るので光れば高圧が出ていますので水平回路が動作していると考えられます。

>  もうひとつの診断方法は、画面に手の甲を近づけて、電源をON/OFFすれば、毛が逆立てば高圧が出ています。

■高圧が出ていて画面と音声が出ない場合は、ビデオ信号系が考えられます。入力切替がビデオになっているか、切替回路を調べます。

■高圧が出ていて画面が出ず、音声が出る場合は、ビデオ信号系か、ブラウン管回路を調べます。

[Res: 27] 水平回路の電源に電圧がある時

投稿者:dai

■水平回路の電源確認

>  水平出力トランジスターのコレクタか、フライバックトランスの電源電圧をテスターで測定する。110から115Vあれば正常ですが、水平回路が動作していないと、140V位になることもありますから、この値で電源の不良と診断してはいけません。

■水平回路の電源に電圧がある時
 この場合は水平回路が動作していないと考えられるので、水平出力回路か、ドライブ回路以前を調べます。

電源回路に不具合があり、115Vの電源電圧が高くなり、高圧が上がる為、保護回路が働いてもこのようになることがあります。この時は水平発振回路が止まっています。

■よくある故障箇所
水平出力トランジスター、ダンパーダイオード、フライバックトランス、フライバックトランスの出力の整流回路、ドライブトランジスター、ドライブトランスの半田浮き、115V電源回路

[Res: 27] 115V電圧がある場合

投稿者:dai

> ■115Vラインの電圧確認

>  TP91とか書いてある所の電圧です。110から115Vが普通です。前項と同様に140V位になることがあります。

■115V電圧がある場合で水平回路の電源が来てない時は、その間にヒューズがあることがあります。これが切れるとこのようになります。

このヒューズが切れた時は水平回路に故障があることがありますので、ヒューズを替えただけでは直りません。

■この時の故障箇所
前記のヒューズ、前項目の水平回路の電源に電圧がある時の故障箇所

[Res: 27] AC100V整流後の電圧がある時

投稿者:dai

> ■AC100Vの整流後の平滑コンデンサの所のDC電圧確認

>  大きなコンデンサですから場所はすぐわかります。ここの電圧は約140Vです。

■AC100V整流後の電圧がある時で、115Vが出てない時。
 これは電源のレギュレータ回路の故障です。

■この場合の故障箇所の例
レギュレータIC、トランジスター他