子供備中神楽(矢掛町、美星町)

最近、矢掛町や美星町の催し物会場で子供備中神楽をよく見ることがあります。これは、備中神楽の普及に取り組んでいる矢掛町や美星町の神楽太夫が、子供達を指導しているからです。そうでもしないと、神楽太夫の高齢化と、荒神様の行事や秋祭りの簡素化で備中神楽が廃れてしまいます。

子供備中神楽は矢掛駅で毎月第三日曜日に行われる「井原線で得々市」の催し物として行われることがあります。また、羽無地区の吉祥寺の「海棠まつり」にも催し物として舞われています。

猿田彦の命の舞い

子供備中神楽(猿田彦の命の舞い)

これは井原線の矢掛駅で行われた屋外での子供備中神楽です。約3〜20歳の子供達だけで演じていました。

子供備中神楽には矢掛町や美星町以外にも様々なイベントで舞われているようです。神楽太夫のプロとして成長した人もあるとのことです。

猿田彦の尊(命)が天狗の面をかぶって悪霊祓いの舞いを演じます。

恵比寿様の舞い

子供備中神楽(恵比寿様の舞い)

恵比寿様は、大国主命(おおくにぬしのみこと)の子で事代主命(ことしろぬしのみこと)のことです。島根県の美保神社の祭神ともなっています。

恵比寿様の舞いは鯛を釣る場面が主体となっていて、独特の舞いには見どころがあります。

大黒様(大国主の命)の舞い

子供備中神楽(大国主の命の舞い)

天照大神楽天 の孫神として瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原で誕生しました。この神を出雲の葦原中国(あしはらなかつくに)の主にしようと企んでいました。

そこで、度々高天原から出雲に勅使を送って、国を譲るようにと大国主の命と交渉しました。

この大国様の舞いの後、福の種を撒く「餅投げ」があります。子供達にとっては神楽の最大のイベントになります。

近年は餅よりも簡単に用意できる菓子類を投げることが多くなりました。

ジジババが素盞鳴尊に大蛇退治を依頼している場面

子供備中神楽(大蛇退治を依頼している場面)

毎年、八岐大蛇(やまたのおろち)が娘を一人ずつ食べてしまって、今年はこの奇稲田姫(くしなだひめ)が食べられる番になったそうです。

おじいさん(ジジ)とおばあさん(ババ)が娘の奇稲田姫を助けてほしいと、大蛇退治を依頼している場面です。

天照大神の弟の素盞鳴尊(すさのおのみこと)は、八岐大蛇を退治する代わりに娘を自分の妻としてくれるように交渉します。

素盞鳴尊の大蛇退治

子供備中神楽(素盞鳴尊の大蛇退治)

備中神楽で人気があるのは松尾明神と黄玉明神の漫才のような掛け合いですが、子供神楽にはこれがありません。

八岐大蛇(やまたのおろち)を酔わせる為の酒造りをした後、メインイベントの大蛇退治があります。

複雑に絡み合う大蛇と子供の大蛇は激しく戦い、ついに力つき、頭を切り取られます。

討ち取った大蛇の尾から一刀の剣が出てきます。これが「天のむら雲の剣」です。