熱中症の予防と対策(塩分補給の方法と牛乳の摂取)

熱中症対策で塩分補給が必要だと言われてきました。本当に効果がある熱中症対策とは何でしょうか。暑さや寒さに強くなるには何を飲んだらよいのでしょうか。熱中症になった時、効果的に体を冷やすにはどうしたらよいのでしょうか。

熱中症とは

熱中症とは、体が生み出す熱と発汗などによる熱の放出のバランスが崩れて、体温が著しく上昇している状態のことを言います。

私たちの体は、 基礎代謝楽天 や運動によって常に熱を生み出しています。そして、暑い時には血管を拡張させて皮膚からの放熱を増やしたり、汗を多くかいてその蒸発熱によって体温を下げるように自動調節されています。

しかし、気温が高いとか、湿度が高いとか、風が弱いとか、日差しが強いとか、近くに熱を発生するものがあるとかによって、体温の調節がうまくできない状態になることがあります。こうなると熱中症を起こす可能性が高くなります。

また、脱水状態にある人や、体温調節機能の低下している高齢者や、体温調節機能の未発達な小児とか幼児や、肥満の人、過度に衣服を着ている人、普段運動をしていない人、暑さに慣れていない人、病気の人、体調の悪い人などが熱中症になりやすいと言われています。

運動の後に塩分補給が必要な場合

歩く運動をしている画像

熱中症対策には水の補給が重要ですが、塩分の補給も重要だと誰でもが思っていました。今までそのような情報の報道がされてきたからです。

塩分や水分補給の大切さを唱えたのは、信州大学の能勢博教授です。能勢先生がおっしゃるには、運動の後、塩分を意識して摂るのは、間違っているそうです。

運動をすると、大量に発汗して、汗と一緒に塩分が出てしまいます。運動の後、水だけを飲むと、体内の塩分濃度が低下します。そうすると、体は体内の塩分濃度を確保するために、尿などで水分を追い出そうとします。もし、水分補給をしても、水はすぐに排出されて、再び脱水状態になってしまいます。つまり熱中症になってしまうのです。

この場合は、水分と共に塩分の補給が必要なのです。その時、塩分と共に糖分を摂ると、水分の吸収が良くなるそうです。スポーツドリンクに糖が含まれているのは、理由があったのです。

運動の後に塩分補給が必要でない場合

一度に大量の汗をかかずに少しずつ汗をかいた場合は、汗腺から汗と塩分が一緒に出て行こうとしても、塩分は再吸収されるようになっています。この場合は塩分の補給は基本的には必要ありません。水だけを飲めば良いのです。

汗の量が1時間当たり、コップ半分以下の量なら、塩分の補給は必要ありません。日本人の塩分の摂取の目安は、男性で1日に9g未満で、女性は、7.5g未満です。1日2〜3gの塩分摂取で十分だという情報もあります。元々日本人は塩分摂取量が多すぎるのです。

塩分の摂り過ぎに注意

日本高血圧学会の夏の塩分摂取に関する提言では、日本人の食塩摂取量は、必要量をはるかに超えているそうです。夏でも、汗を多くかいた場合を除いて、塩分を過剰に摂らない方が良いそうです。

特に、高齢者の方は汗が出にくいので、過剰に塩分を摂ると、高血圧になる場合がありますので注意しましょう。

暑さに強くなる為の飲み物は牛乳です

適度な運動をすると、汗が出やすい体になり、温度調節がうまくできるので、熱中症になりにくくなると言われています。でも、ただ運動するよりも、もっといい方法があります。

その方法とは、運動の後で牛乳を飲むことです。牛乳を飲むと、血液量が多くなるからだそうです。運動後にたんぱく質を摂取すると、アルブミンという物質が合成されます。

このアルブミンには、水を血液中に集める働きがあって、血液量が増えるのです。血液が増えると汗をかきやすくなるし、熱い血液が多量に体の中を循環して熱を逃がしやすくします。

暑さに強くなる方法は、運動後にたんぱく質を摂ることです。低脂肪乳やヨーグルトでも良いそうです。牛乳にはスポーツドリンクと同程度の塩分が含まれていますので、この場合は別に塩分補給の必要がありません。また、牛乳にはアルブミンの合成に必要な糖もたんぱく質と共に含まれています。

熱中症になった時の効果的な体の冷やし方

暑い時におでこを冷やすと気持ちが良いのは、冷たさを感じる冷点が多いからです。しかし、おでこを冷やしても体が冷えるわけではありません。顔やおでこを冷やすと、体は、体を冷やさないように皮膚の表面の血流を減らして、逆に体の中の熱を逃がさないようにします。

熱中症になった時の効果的な体の冷やし方は、首やわきの下や股の内側を冷やすことです。つまり、大きな血管が通っている部分を冷やすと、体を効率的に冷やすことができるのです。

熱中症の予防方法

熱中症の予防には、まず暑さを避けることです。日陰を選んで歩くとか、ブラインドやすだれを使用するとかして、直射日光を防いで風通しをよくします。屋内では、扇風機やエアコンを効果的に使います。

服装を工夫することも大切です。吸汗、速乾素材の軽量、納涼スーツを活用するとか、太陽の下では黒色系の衣服を避けて、白色系のものにするのも効果があります。

また、日常から運動で汗をかく機会を増やし、暑さに負けない体づくりをしておくことも大切です。暑いところに出る前に水分補給をしておくとか、ペットボトルに飲物を持って出かけるとかで、こまめな水分補給をすることも熱中症予防には大切なことです。

夜間熱中症に注意

コンクリートの建物ではコンクリートが熱を貯めやすくて、冷えにくいので、夜間でも部屋の温度が下がらず、夜間熱中症になりやすいので注意してください。

西日が当たる部屋やコンクリートの建物の最上階では、特に、夜間にコンクリート壁の熱が下がりにくいので注意してください。

夜間熱中症を予防する方法

夜間に外気温度が下がっても、部屋の温度が下がらない場合が多いので、エアコンを使って温度を下げてやります。または、換気をよくして部屋の温度を下げてやる必要があります。

高齢者は特に暑さを感じなくなり易いので、エアコンを使用して就寝してください。高齢者ほどエアコンを使わない傾向があるので、家族の方は特に注意してあげてください。

かくれ熱中症に注意

水分補給をしないで、熱い所で作業等をしていると、知らないうちに熱中症になることがあります。これを「かくれ熱中症」と言います。かくれ熱中症を予防するには、これに早く気付いて、こまめな水分補給をすることです。

水分不足かどうかを判定するには次のようにします。指の爪を強く押すと爪の下の皮膚の色が白くなります、指を離して3秒位内にピンク色に戻れば問題ありません。これが3秒位内に戻らないと水分不足です。注意しましょう。