地デジ放送受信用アンテナの立て方

地上デジタル放送(地デジ放送)はUHFの電波で放送されています。受信にはUHFアンテナを使用します。したがってVHFアンテナだけで受信している方は、必ずUHFアンテナの設置工事が必要となってきます。

地上デジタル放送とは、またその受信アンテナとは

今までテレビの地上アナログ放送は、VHF(超短波30〜300MHz)とUHF(極超短波300〜3000MHz)を使って放送されていました。この内VHFは他の用途に使う為に、テレビ放送はUHFだけ(470〜770MHz、13〜62CH)を使うことになりました。(最終的には地デジ放送は470〜710MHz、13〜52CHを使います)

そうなると、電波の数が足らなくなるので、電波の形式をアナログ方式から多くの情報が送れるデジタル方式に変えたのです。そして2011年7月には、全てのテレビのアナログ放送がデジタル放送に切り替わることになったのです。

現在のアンテナがVHFだけだと、地デジを受信するには UHFアンテナ楽天 を立てる必要があります。現在VHFとUHFの両方のアンテナを使っていても、デジタル放送局の位置が変更になると、方向の変更が必要になることもあります。

地上デジタル放送受信用アンテナの種類

UHFオールバンド八木アンテナ

現在市販されている地上デジタル用のアンテナには、何種類かあります。つまり、地デジ用の強電界用のアンテナと弱電界用のアンテナがあります。

地デジ用の強電界用アンテナは電界強度の強い地域で使うように作ってあり、簡易的なものでアンテナとしての性能はあまり良くありません。小型にすることを目的にしたようなアンテナです。

これに対して、従来のアナログ放送にも使っていたUHFのオールバンドの八木アンテナは地デジにも使えますし、性能も良くなっています。気を付けなければならないのは、従来のアナログ用のUHF八木アンテナはローバンド用とかハイバンド用とかの区別があることです。その地域の放送によってはそのまま使えますが、場合によっては使えないことがあります。

一般的にお勧めできるアンテナは、14〜20素子のUHFオールバンド八木アンテナ(13〜62CH用)です。もちろん強電界地域では10素子程度のアンテナでも問題はありません。しかし、強電界でも利得が良い方が分配損失があってもブースターを省略できる利点もあります。

デジタル電波とアナログ電波の違い

デジタル電波とアナログ電波の違いを知っておかないと、テレビの電波をうまく受信できないことがあります。従来のアナログ電波では、ちょっとした不具合で、画像が二重に映ったり画像が乱れたりします。また、少しくらいやり方が悪くても全く映らないということはあまりありません。

それに比べてデジタル放送の電波は、少々の不具合があっても、画像が二重に映ったり乱れたりはしません。でも、ある程度以上にやり方が悪いと、突然全く映らなくなります。この辺の性質を理解しながら作業をする必要があります。

地上デジタル用アンテナを立てる場所

アンテナを立てる場所は、一般にテレビの送信所の方向が開けた、見通しの良い高い場所が良いのです。UHF電波の性質として、ある程度の高さがあれば高い程良いということではありません。場合によっては低い方が良い場合もあります。(ハイトパターンと言って、アンテナの地上高が高くても電界強度が低い場合があります。)

地上デジタル用アンテナの向き

アンテナの向きは一般的には放送局の送信所の方向に向ければ良いと思います。でも、送信所の向きに建物があってとても電波が弱くなっている時は、反射波を受信した方が良い場合もないわけではありません。アナログ波の場合は反射波を受けるのはまず無理です。

地上デジタル用アンテナの接続

アナログの場合も同じですが、同軸ケーブルはできるだけ損失が少なくて太いものを使ってください。また、シールドの良いものを使ってください。(一般的には特性インピーダンスが75オームの5C-FB等を使います)

ケーブルの接続には、F型接栓を使用して確実に接続します。ケーブル同士を捻って(ねじって)接続してはいけません。

地上デジタル用アンテナの材料と立て方

アンテナを立てるには、一般的には屋根馬を使用して、マストの上にUHFアンテナを取り付けます。アンテナに同軸ケーブルを接続します。ステー取り付け金具を使用して、ステンレス線でアンテナが倒れないように3方向にステーを張ります。

4方向にステーを張る人もありますが、確実に3方向に張る方が良いと思います。4方向でも1本のステー線が切れればアンテナは倒れてしまいます。工夫すれば一人でも立てることができます。

アンテナが立ったら、同軸ケーブルをBS混合器やブースターや分配器に接続します。BS混合器やブースターや分配器は天井裏等の屋内にある場合もありますので、よく調査してから工事します。

ブースターの使い方

地デジの電波が弱い場合や、テレビの数が多くて分配が多く必要な場合はブースターを使って電波を強くしてやらなければ映らないことがあります。

ブースターには適正な入力と適正な出力があります。これを守らないとうまく受信することができません。ブースターをつければ良いというものではありません。極端な場合、ブースターを付けるより、無い方が良い場合もあります。ブースターの調整には、デジタル対応の電界強度計が必要です。

最近はあまりありませんが、強電界地域でも直接波妨害防止の為にブースターを使う場合があります。直接波妨害とは、強電界地域で分配損失やケーブルの伝送損失が多いと、強い電波が直接ケーブルの途中やテレビのアンテナ端子付近に混入してテレビの映りが悪くなることです。

直接波妨害を防止する為に、あらかじめ電波を強くしておく目的にブースターを使うのですが、このようなブースターの使い方では、ブースターの入力にアッテネーター(減衰器)が必要になることがあります。

地デジでもケーブルの接続が悪い場合は直接波妨害による不具合が起こることがありますので、ケーブルの接続には細心の注意を払ってください。