BS、CSデジタル放送について

1989年BS放送は2011年7月で終了し、BSデジタル放送が2000年12月に開始され、2002年には110度CSデジタル放送が開始されました。2018年12月から始まる4Kや8Kテレビでは、通信衛星「JCSAT-15」や「BSAT-4a」も使用し左旋円偏波も使用するようになります。

BS、CS放送の歴史と現状

BS、CSパラボラアンテナの画像

従来、BS放送とCS放送(CS通信)とは衛星や放送方式が明確に違っていて、別々に放送(通信)されていました。

しかし、2002年に東経110度のBSと同じ位置にCS衛星が打ち上げられ、放送方式がBS方式に統一されることによって、CSデジタル放送が開始されました。

この変更によって、BSデジタル放送と東経110度CSデジタル放送は統合して一括管理されるようになりました。

そうなると、衛星の受信についても1つのアンテナで済むこととなり、BSアンテナだけでCS放送も簡単に受信できるようになりました。

BSアナログテレビジョン放送

1989年6月からNHKが静止衛星を使って本放送を開始したのが、BSアナログ放送です。20年以上放送された、このBSアナログ放送は2011年7月24日で役目を終了しました。

BS、CSデジタルテレビジョン放送

BSデジタル放送は、2000年12月にNHKと民放キー局と関連会社などが放送を開始したものです。赤道上空の東経110度の衛星を使った右旋円偏波の日本向けのBSデジタル放送です。

この後、2002年に、東経110度のBSと見かけ上は同じ位置にCSデジタル衛星が打ち上げられ、CSデジタル放送が開始されました。

2018年12月から始まる4Kや8Kテレビでは、右旋円偏波に加えて左旋円偏波も使用します。また、4Kや8KのBSや110度CS放送では、通信衛星「JCSAT-15」や「BSAT-4a」も使用します。

このため、使用する周波数が広く必要になり、受信機器のIF周波数が3224MHzまで対応する必要があります。

4K、8Kテレビの左旋円偏波にも対応したBS・CSのIF周波数

地上デジタル放送(2K)の解像度約200万画素に比べて、4Kでは2Kの4倍の約800万画素、8Kでは2Kの16倍の約3300万画素の解像度となっています。この為に放送周波数を広く取っています。

BSと110度CSの右左旋偏波デジタル放送のIF周波数は、1032~3224MHzとなっています。

デジタル放送受信機器が対応しなければならない周波数

地上デジタル放送の周波数は470から710MHzとなっています。BS放送は約1,500MHzまで対応しなければなりません。

110度CSの右旋偏波デジタル放送の場合は、BSに比べて、IF周波数が少し高くなっていることに注意してください。110度CSまで扱うには、混合器や分配器やブースターが約2,100MHzまで対応になっている必要があります。

4Kや8Kの放送では右旋円偏波に加えて、左旋円偏波も使用するので、それに対応した受信機器の周波数は3224MHzまで必要です。

BS、CSデジタル放送の特徴(地上デジタル放送も同様な特徴があります)

地上デジタル放送と同様に、BSデジタル放送は高画質で高音質なのが最大の特徴です。迫力のあるハイビジョンの映像を楽しむことができます。

デジタルテレビ放送楽天 では標準画質に解像度を落せば1チャンネル分の帯域幅で3チャンネルの放送が可能となっています。

番組表をテレビ画面で手軽に確認できる電子番組表(EPG)や、番組に連動した情報やニュース、生活情報などがリアルタイムで引き出せるデータ放送が放送可能です。

番組に連動してクイズやショッピングに参加できる双方向放送が可能です。但し、双方向放送に参加する場合、チューナーを電話回線に接続したり、インターネットに接続する必要があります。

音声の放送形式にMPEG-2 AACを使用しているので、5.1chサラウンド音声が放送可能です。また、4Kや8Kの放送では、音声のマルチチャンネル化で更に高音質を実現しています。

番組の録画やコピーを禁止することを放送局側で制御可能です。B-CASカードを利用したコピー制御でB-CASカードをチューナー等にセットしないと視聴できません。

東経110度CSデジタル放送

東経110度CS放送に用いられる通信衛星は放送衛星と同じ方角に衛星が打ち上げられています。この為、BSデジタル放送と同じアンテナで受信できるのが特長です。

東経110度CS放送は、2002年に放送が開始され、当初はスカイパーフェクTVとプラットワンとepという3つがありました。その後統合されてスカイパーフェクTVだけとなりました。

また、2018年12月に始まる、4Kや8KのBSや110度CS放送では、通信衛星「JCSAT-15」や「BSAT-4a」も使用します。

BS、CS放送の不利な点

BS、CS放送を受信する為には、地上波のテレビを受信するアンテナとは別に衛星放送受信用のアンテナを設置する必要があります。

BS、CS放送で使用する電波はSHF帯なので、伝搬途中の障害物によって電波が減衰を受けやすく、大雪や大雨などでは途中の水分によって電波が弱くなり、受信に障害があることがあります。