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智子の投稿集2
金色? それとも黄土色?
いつも愛用しているマグカップがある。コーヒー会社の懸賞で当たったもので、ムーミンとフローレンのイラストが描かれている。クリスマスのイメージだろうか、ひいらぎの緑の葉に赤い実、さらに緑・赤・金色を使ったリボンで飾られている。
少し大ぶりなので、コーヒー、紅茶、ココアなど、たっぷりと入る。新聞、雑誌、特に『PHP』誌などを、ゆっくり、じっくりと読みながらのリラックス・タイムの必需品である。
ある時、娘が電子レンジを使っていた。窓から中をのぞくと、何と私のムーミン・カップが回っているではないか。
「ちょっと、止めて、止めて。カップがはげる」
「えーっ、何?」
「ほら、ここの金色の部分、金箔がはってあるでしょう。電子レンジはダメだよ」
「これ黄土色だよ。今まで何回もレンジで温めたけど、大丈夫だったよ」
目をこすって見ても、わかりづらい。でも、よく見れば、確かに金色ではなさそう。目の老化は日々進んでいるらしい。
しかし、思い込みは恐ろしい。今まで、金箔だと思い大事に扱ってきた。これからは、電子レンジを使って牛乳を温めたりと、ますますムーミン・カップの出番が多くなりそうだ。
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ラズベリーを育ててみては
昨日の雨に洗われ、ひときわ色濃い葉の下に、赤いラズベリーの実がつややかに揺れている。三年前に苗を買い求め、狭い庭の隅に植えた。秋にも実がなり驚いた。二季なりを植えていたのだ。よく観察してみると、新芽にしか実がつかないことがわかった。そこで、昨秋の収穫を終えた時、思い切って背丈の三分の二ぐらいに刈り込んでみた。すると、今年は今までになくたくさんの花が咲き、実をつけた。 毎日少しずつ熟していくので、長い期間食べられる。手作りヨーグルトに入れて食べている。冷凍してハチミツをかけるのも、暑い時期は好評だ。 最近、ラズベリーダイエットの広告を目にする。脂肪分解力がカプサイシンの三倍と書かれているものもある。手間いらずで育てられるので友人にも株分けしているが、繁殖力が強いので庭に植える時は注意が必要だ。それに、キイチゴの一種なので、小さなトゲがある。皆さん一度挑戦してみては。 |
石川智子 52 自営業 2004年6月22日 山陽新聞朝刊 「ちまた」欄
換羽
昨年5月から岡山地鶏を飼っている。真備町のTさんから、ひなを1羽譲り受けたものだ。娘がパレットと名付けた。庭の隅に専用小屋を作り、入れている。鳥インフルエンザが騒がれたときには、飼っている旨を市へ届け出た。今年3月から小さめの卵を産み始めた。うれしくてカレンダーに卵の数を書き付けていった。3、4月で30個、5月は20個、6月20個、7月18個、8月15個、9月15個、10月12個で、今までに134個も産んでくれている。 ところが、台風23号以来、産まなくなった。小屋の地面が横なぐりの雨のためぬれた。それに加えて、長時間の暴風がストレスになったのだろうか。 今月1日、えさを小屋へ持って行って驚いた。小屋中に薄茶色の羽根が散らばっている。夫に知らせ、イタチに血を吸われたのかもしれないと思い、小さな穴までもふさぐよう補修してもらった。 しかし、血痕はどこにも見られない。パレットは、どことなく元気なさそうで病気かなと心配になる。インターネットで検索してみた。どうも、「換羽」に当てはまりそうだ。 夏毛と冬毛の交換の時期だそうで、このときは体力を消耗して産卵はしばらく中止のようだ。原因が分かってよかった。ゆっくりと休んで、また、おいしい卵を食べさせてね。 |
石川智子 53歳 2004年11月14日 山陽新聞朝刊 「泉」欄
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心動かされた木堂記念館
企画展に引かれて岡山市川入にある犬養木堂記念館に立ち寄った。JR新幹線の下の道に出された看板が、以前から気になっていた。入場無料なのもありがたい。
展示の中で、特に心を動かされたものが三つあった。嫁いだ末娘の信さんへ木堂が贈った書「敏於事而慎於言特其志無暴其気」である。事に勉めて言葉を慎み、志を堅持して気をそこなってはならない、という意味だそうだ。「恕」の心を大切にするよう孫娘の道子さんにあてた書も心引かれた。現在では、あまり見聞きすることの少ない言葉である。「己を推して他人に及ぼすこと。おもいやり、同情心」と辞書にあった。
そして、説明文にこんなところがあった。「世界的な視野を持つ木堂は、将来日本の進む道は軍事大国化になく、産業立国と善隣友好にあると強く提唱していた。特に日中関係を最も重要視していた」とあった。約百年後の今も潜水艦の問題が出ており、先人の知恵を生かす政治をしてもらいたい、と思うと同時にとても驚いた。
石川智子 53歳 2004年11月30日 山陽新聞朝刊 「ちまた」欄
切り傷にラップ止血、治療成功
正月二日の朝、不覚にも左人さし指を包丁で切った。傷は幅五ミリ、長さ八ミリで、そぎ切る形となった。出血に慌てて右手で押さえ、次にティッシュを二枚重ねて折り畳み、圧迫止血。その後、カットばんそうこうを張った。が、手を使うと、じわじわと出血して困った。
二日目に、良いことを思い出した。以前のテレビ番組で、すり傷に食品用ラップを張って、手当てしているスポーツ選手を取り上げていた。すり傷ではないが、よいかもしれないと思い、やってみた。傷口を消毒し、ラップを傷口より少し大きめに切って張り、その上にばんそうこうを張った。
次の日、消毒の時に驚いた。ばんそうこうをはがすと同時に、ラップも一緒にはがれている。傷口が痛くないし出血もない。子どものころの包帯交換を思い出した。血の付いたガーゼをはがすのが痛くて、消毒液で湿らせて少しずつはがしていた。
痛さ知らずで、十一日目には晴れてばんそうこうともお別れとなったが、今度はピンク色の傷が痛々しく目に入る。今年こそ心を落ち着けて物事に当たるように、という警告と受け止めている。
石川智子 53歳 2005年1月26日 山陽新聞朝刊 「ちまた」欄
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昨日の雨に洗われ、ひときわ色濃い葉の下に、赤いラズベリーの実がつややかに揺れている。三年前に苗を買い求め、狭い庭の隅に植えた。秋にも実がなり驚いた。二季なりを植えていたのだ。
昨年5月から岡山地鶏を飼っている。真備町のTさんから、ひなを1羽譲り受けたものだ。娘がパレットと名付けた。庭の隅に専用小屋を作り、入れている。鳥インフルエンザが騒がれたときには、飼っている旨を市へ届け出た。