水管理不要の水田用給水路
田舎で耕作している田圃(水田)の水管理は週に一回しかすることができません。その為、いつも水が切れていることが多かったのです。近所の人に頼んでおいても、ちゃんとやってくれないことが多く、長年の悩みの種でした。
色々考えた末に、全く水管理をしなくてもよい方法で給水装置を工夫して作ってみましたので紹介します。
2008年6月
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従来の一般的な水田の給水装置
この辺りで一般的な水田の給水装置は左の図のようになっています。
水田の水面よりかなり高い所にある給水路から給水パイプによって水を田圃(水田)に入れるようになっています。
この方法だと、水を入れる場合は給水路の一部を開けてやります。適度に水がたまったら水を止めてやらないといけません。つまり水を入れたり止めたりと常に水管理が必要です。
私は1週間に1回しか水を管理できないので、水を常に少しずつ入れるように(掛け流しと言う)しておかなければなりません。そうすると水の取り入れ口が落ち葉で詰まったりすることもあるし、他の人が水路の水を増やしたり減らしたりすることもあります。その為、水田の水はちゃんとたまらなくて、多かったり少なかったりすることがよくありました。
水田の水位変動の弊害
水田の水位が高かったり低かったりすると次のような弊害があります。できれば適正な水管理をしたいものです。
水位が低い(水が少ない)場合
- 草が生えやすい
- 除草剤の効きが悪くなる
- 稲は元々水草なので水が無いと生育が悪くなる
- 夜間の気温の低下で稲の生育が悪くなる
水位が高い(水が多い)場合
- 苗が小さい時、水が多過ぎると分けつ(ぶんけつ)しにくく、株が増えないので稲の生育が悪くなる
- 漏水が増えて肥料の流出も多くなるが、水に溶けた肥料分は供給される場合もある
- オーバーフロー口から排水するほど、掛け流しをすると確実に肥料分が流出する
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水管理不要の水田用給水装置
この図は私が考えた水管理不要の給水装置の断面図です。こんなのはもう使っているよという人もあると思います。要するに水田の水位と給水路の水位が同じ高さになる所から給水するだけです。
給水路の幅は約30cmで、水路の中の水の量が変化しても水位はあまり変化しません。つまり水路に少し勾配があるのです。水路に水が流れている限り、水田には適度に給水されます。
水位を調節するには給水路の中に低い堰を作ってやり、この高さを調節します。でも水路の高さが適当だと通常は何もしなくても良いようです。
もし、大雨が降って水田の水が増えすぎても、水は給水路から勝手に排水されて常に水田の水位はほぼ一定になります。他にもオーバーフロー式の排水口はありますが通常はこの給水口から排水されるようにしておきます。
水路の水位と水田の水位が同じになる場所が無い場合でも諦めることはありません。水路からの水を導いてきて、水田と同じ高さで一旦水をためてやればできます。そして不要になった水は排水路へ導きます。
実用化した例(写真等)
給水路に穴を開けて、仮に作った、製作途中の給水装置です。左側が幅約30cmの給水路、右側が水田の樋寄せ(ヒヨセ)です。給水路の水位と水田の水位が同じになる位置で水路と水田を直結しています。後でここに枡と塩化ビニルパイプを設けて水の出入りを管理する予定です。この水田では水路が短く簡単に作ることができました。 |
ここは別の水田です。給水路の水は画面の右上から左上に流れて水田に入っていくようになっています。これも水管理不要にしました。右上から画面下中央に向かってあるのが急勾配の排水路です。水田の端からこの排水路の途中に向かって水平な水路を設けました。長さ約4m幅約30cmのコンクリート水路を掘り起こして再利用しました。これはバックホー(重機)でなければ動かせませんでした。マイカーならぬマイ重機でやりました。 |
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この左の写真のように長さ約4mの水平の水路を取り付けました。右の写真は水路からの水の取り入れ口です。今年はとりあえず石を置いて水路の水をせき止めています。冬の間にモルタルでちゃんと作る予定です。
田んぼまでの水路の長さが4mもあるので、水田の中の水の出入りは通常はほとんどありません。減った分が補給されるだけです。
このようにすると水田の水位は常に一定となります。これで水管理からやっと開放されそうです。
給水路に穴を開けて、仮に作った、製作途中の給水装置です。左側が幅約30cmの給水路、右側が水田の樋寄せ(ヒヨセ)です。
ここは別の水田です。給水路の水は画面の右上から左上に流れて水田に入っていくようになっています。

